HEALTH WORDS / 用語解説
骨髄増多症
Myeloproliferative disease
骨髄増多症とは、骨髄において血球の成分を産生する造血幹細胞がクローン性の増殖を起こし、末梢血中の血球(赤血球、白血球、血小板など)のいずれかあるいは複数が持続的に増加する一連の疾患群を指す言葉である。1
以前は骨髄増多症または骨髄増殖性疾患と呼ばれていたが、病態の本質が造血幹細胞の自律的な増殖にあることが明確になったことや、WHO分類の改訂に伴い、現在では骨髄増殖性腫瘍(MPN)という疾患概念に分類されることが一般的となっている。1
この疾患群に含まれる代表的な病態や疾患としては、赤血球が過剰に産生される真性赤血球増加症、血小板の著しい増加がみられる本態性血小板血症、骨髄内の線維化と造血障害を特徴とする原発性骨髄線維症などが挙げられる。2
これらの疾患に共通する特徴として、JAK2遺伝子などの遺伝子変異が高頻度に検出されることが挙げられ、これが造血細胞のシグナル伝達経路を恒常的に活性化させることで血球の過剰な増殖を引き起こす原因となる。2
臨床的な特徴として、過剰な血球による血液粘度の上昇や血栓症、出血傾向、あるいは脾臓や肝臓が腫大する髄外造血などが引き起こされる場合がある。1
また、長期的な経過の中で急性白血病への移行や、骨髄不全に伴う貧血などの合併症を来す可能性があるため、定期的な血液検査や骨髄検査を通じた慎重な経過観察および治療管理が必要とされる。2
参考文献・出典
- 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業): https://www.nanbyou.or.jp/entry/265 ↩1 ↩2 ↩3
- 国立がん研究センター: https://ganjoho.jp/public/cancer/myeloproliferative_neoplasms/index.html ↩1 ↩2 ↩3