HEALTH WORDS / 用語解説
成長軟骨帯
成長軟骨帯とは、長骨の端部である骨端と骨幹の間、すなわち骨端線の部位に存在する硝子軟骨の層であり、小児および思春期の骨の長軸方向への成長を担う重要な組織である。12
成長軟骨帯は軟骨細胞の増殖と肥大、そして骨への置き換わる置換プロセス(内骨化)を継続的に行うことで、骨の長さを増大させる。12
この組織の内部は組織学的にいくつかの帯(ゾーン)に分類され、おもに骨端側から安静軟骨層(予備軟骨層)、増殖軟骨層、肥大軟骨層、そして石灰化が進む石灰化軟骨層へと移行していく。12
安静軟骨層では軟骨細胞がまばらに存在して成長軟骨帯全体を維持する基盤となり、続く増殖軟骨層では活発な細胞分裂によって軟骨細胞が積み重なるように配列する。12
その下流に位置する肥大軟骨層では軟骨細胞自体が大きく肥大化し、細胞外基質を変化させながら骨の伸長に直接的な寄与をする。12
最終的に肥大した軟骨細胞の周辺基質が石灰化を起こし、破骨細胞や血管、骨芽細胞が侵入して軟骨基質を骨組織へと完全に置換していくことで、骨が長くなるとともに骨幹側から骨化が進行する。12
このような一連の成長軟骨帯における軟骨の増生と骨への置換速度は、おもに成長ホルモンや甲状腺ホルモン、さらには思春期に急増する性ホルモン(エストロゲンやアンドロゲン)などの多様なホルモンによって精密にコントロールされている。12
小児期から思春期にかけてはこの成長軟骨帯の働きによって身長が伸び続けるが、性成熟が進行して思春期の終わり頃を迎えると、分泌されるホルモンの影響により成長軟骨帯の軟骨細胞の増殖能力が低下・消失する。12
成長軟骨帯の軟骨が完全に骨組織に置換されると、いわゆる「骨端線閉鎖」と呼ばれる状態になり、これ以降は骨の長軸方向への成長は停止することになる。12
このように成長軟骨帯は、生体の発育段階において不可欠な骨代謝の場であると同時に、小児の骨折などの外傷においては骨端線損傷といった特有の障害を引き起こす脆弱部としても臨床医学的に非常に重要な意味を持っている。12