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HEALTH WORDS / 用語解説

異形吸虫科

Heterophyidae

異形吸虫科とは、扁形動物門 吸虫綱 斜睾吸虫目に分類される寄生虫の一群であり、主として鳥類や哺乳類の小腸に寄生する小型の吸虫の総称である。1

異形吸虫科に属する虫卵は一般に淡褐色を呈し、卵殻が厚く、蓋を有するものが多く見られる。2 その生活環は極めて複雑であり、第一中間宿主として淡水産貝類(ウミニナ類やカワニナ類など)を必要とする点が特徴である。1 貝の体内で増殖した幼虫はセルカリアとして水中に遊出し、第二中間宿主である魚類の筋肉や鱗などに侵入してメタセルカリアへと発育する。2

終宿主である人間や食肉目動物、鳥類などは、メタセルカリアを保有する魚類を生食あるいは加熱不十分な状態で摂食することにより感染を受ける。1 体内に取り込まれたメタセルカリアは消化管内で脱嚢し、終宿主の小腸粘膜に寄生して成虫へと成長する。2

日本国内を含むアジア地域においては、異形吸虫科に属するメタゴニムス属(*Metagonimus*)や異形吸虫属(*Heterophyes*)などの虫種が人体寄生虫として知られている。1 多くの場合、軽度の感染では無症状であるが、多数の虫体が寄生した場合には腹痛、下痢、消化不良などの消化器症状を引き起こすことがある。2 さらに、極めて稀ではあるが、成虫の虫卵が腸壁の毛細血管を通じて血流に入り込み、脳や脊髄、心臓などの重要臓器に迷入することで異所性寄生による深刻な病態を誘発する危険性も指摘されている。1

予防対策としては、淡水魚や汽水魚の生食を避け、中心部まで十分に加熱調理することが最も確実かつ有効である。2

参考文献・出典

  1. 寄生虫学テキスト: https://www.niph.go.jp/kenshu/kisyo/R02/kiseichu_2020.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 食鳥検査における肝蛭・メタゴニムス等の異形吸虫類対策の手引き: https://www.mhlw.go.jp/content/000632297.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5