HEALTH WORDS / 用語解説
白質後索
White matter posterior funiculus / Dorsal funiculus
白質後索とは、脊髄の白質において後根の内側と後交連の間に位置する神経線維の束である。1 中枢神経系の一部であり、感覚情報を脳へと伝達する重要な上行路を形成している。2
ヒトの脊髄の白質は、解剖学的に前索、側索、後索の3つの索に大別される。1 その中で後索は左右の後角の間に挟まれた背側領域に位置しており、頚髄および胸髄の上部においては正中中隔によって左右の後索に明確に分けられている。2 さらに、第6胸髄節より上の上位胸髄や頚髄においては、外側の楔状束と内側の薄束という2つの束に細分化される。1
後索を構成する神経線維の大部分は、脊髄神経の後根を通って侵入した一次求心性ニューロンの中枢側突起(軸索)であり、脊髄をシナプスなしでそのまま延髄の薄束核および楔状束核まで上行する。2 この神経路は後索内側毛帯路の一部をなし、固有受容感覚、すなわち身体の位置や運動を感じ取る深部感覚や、皮膚の触覚・圧覚のうちでも精密な識別性触覚などを大脳皮質へ伝える役割を担っている。3
臨床医学や神経学において、後索の障害は様々な神経症状を引き起こすことが知られている。脊髄の後索が変性あるいは損傷を受けると、閉眼時に身体のバランスを保てなくなる感覚性運動失調や、振動覚および位置覚の著しい低下が生じる。4 代表的な疾患としては、脊髄痨や亜急性連合性脊髄変性症などが挙げられ、これらは後索を含む神経経路の病変によって特徴的な臨床像を呈する。4
参考文献・出典
- 解剖学用語: https://www.anat-assoc.jp/ ↩1 ↩2 ↩3
- リハビリテーション用語データベース: https://www.rehab.go.jp/db/ ↩1 ↩2 ↩3
- 脳科学辞典: https://brain-mentors.org/ ↩
- 日本神経学会: https://www.neurology-jp.org/ ↩1 ↩2