HEALTH WORDS / 用語解説
脆弱性骨折
fragility fracture
脆弱性骨折とは、日常的な活動における軽微な外力、例えば立位あるいはそれ以下の高さからの転倒などによって生じる骨折の総称である。1 健康な骨であれば骨折しないような微小な外力で発生することが特徴であり、骨粗鬆症の最も重要な臨床的帰結の一つとして位置づけられている。2
主な好発部位としては、大腿骨近位部、椎体、橈骨遠位端(前腕骨)、上腕骨近位端などが挙げられる。3 特に大腿骨近位部骨折は、受傷後の日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)著しい低下を招き、要介護状態や寝たきりの主要な原因となる。3 また、一度脆弱性骨折を発症した患者は、さらなる新たな骨折(二次骨折)を起こすリスクが極めて高いことが知られている。1
脆弱性骨折の背景には、加齢、閉経によるエストロゲン減少、栄養不良、運動不足、生活習慣病、あるいはステロイド薬の長期使用などによる骨密度の低下および骨質の劣化が存在する。2 そのため、診断にあたっては骨密度測定やX線検査を行い、骨粗鬆症の早期発見と治療介入を行うことが極めて重要である。3
治療および管理においては、骨折部位に対する外科的治療や保存療法などの急性期対応のみならず、骨粗鬆症の進行を抑制するための薬物療法、リハビリテーション、転倒防止のための環境調整が総合的に行われる。1 近年では、多職種が連携して二次骨折を予防するためのリエゾンサービス(FLS: Fracture Liaison Service)の導入が推進されており、患者の生命予後改善および医療経済的負担の軽減に向けた取り組みが進められている。2