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HEALTH WORDS / 用語解説

生命予後

Prognosis

生命予後とは、ある特定の疾患や病態を発症した患者、あるいは外科手術などの治療を受けた患者について、将来的な生存または死亡に関する転帰(結末)の予測を指す医学用語である。1

医学および臨床医学の分野において、予後は治癒、寛解、再発、生存期間などを含めた総合的な病状の行く末を意味するが、特に「生命予後」と表現した場合は、患者の生存そのものに焦点を当てた予測や評価を指すことが多い。2

生命予後の評価は、個々の患者の治療方針を決定する上で極めて重要な要素となる。医師などの医療従事者は、患者の年齢、性別、既往歴、合併症の有無、身体所見、ならびに血液検査、画像検査、病理診断などの検査値を総合的に分析し、統計学的な生存率や過去の臨床データに基づいて生命予後を推測する。1

例えば、悪性腫瘍(がん)の領域においては、癌の進行度を示す病期(ステージ)や組織型、遺伝子変異の有無などが生命予後を左右する強い決定因子となる。循環器病の領域では、心不全の重症度分類や左室駆出率などが生命予後の予測に用いられる。このように、それぞれの疾患特性に応じた予後因子を特定し評価することが、医療の質を高める上で不可欠である。2

また、生命予後は個人の生存期間の予測だけに留まらず、疫学や公衆衛生学の分野においても重要な指標として活用されている。大規模な臨床試験やコホート研究を実施する際には、新規薬剤や新しい治療法が患者の全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)にどのような影響を与えるかを検証し、生命予後の改善効果を客観的に評価することが求められる。1

近年の分子生物学やゲノム医療の飛躍的な進歩に伴い、生命予後の予測精度は向上しつつある。従来は臨床症状や一般的な検査データに依存していた予測に対し、個々の患者の遺伝子情報やバイオマーカーを解析することで、より精密に生命予後を推測することが可能になってきている。これにより、過剰診療を避けつつ、患者一人ひとりの状態に最適化された個別化医療の実現が進められている。2

参考文献・出典

  1. 国立がん研究センター 癌統計: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/glossary.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-079.html ↩1 ↩2 ↩3