HEALTH WORDS / 用語解説
調節反射
Accommodation reflex
調節反射とは、眼が近くの物体から遠くの物体へ、あるいは遠くの物体から近くの物体へと、視点を移動させる際に生じる反射性の眼球運動および組織の変化の総称である。1
この反射は、主として網膜に結像する像の鮮明さを保つために起こる一連の生理的な生体反応であり、視覚情報の入力を端緒として自律神経系および体性神経系が協調して作動する機構である。2
調節反射の構成要素は、主として毛様体筋の収縮による水晶体の厚さ(屈折力)の変化、瞳孔括約筋の収縮による瞳孔の縮小(収縮)、および両眼が内側に向かう輻輳(寄り眼)の3つの現象から成り立っている。1
人間が遠方から近見(近くを見る状態)に移行する際、まず大脳皮質の視覚野を経て中脳の動眼神経核周辺へ信号が送られる。3
この神経回路の作動により、眼球の焦点を合わせる調節作用が生じ、同時に眼球の光量を調整する対光反射の神経回路とも一部連動しながら、網膜上の中心窩に対象物の正確な像を結ばせるように機能している。2
特に水晶体の調節においては、毛様体の平滑筋である毛様体筋が緊張または弛緩することで小帯の張力が変化し、水晶体自体の弾力性によってその曲率が変化して屈折率が刻々と調整される仕組みになっている。1
また、近くを見る時には瞳孔が狭まることで被写界深度が深くなり、焦点が多少ずれても像がぼやけにくくなるという物理的な利点が生じるほか、両眼視差を一致させるために内眼筋と外眼筋の双方が緻密に制御される。3
このように調節反射は、単一の筋肉の運動ではなく、視覚機能を維持するために眼球の内外の複数の構造が一体となって働く、極めて高度に統合された神経反射の体系である。2