HEALTH WORDS / 用語解説
CYP7A
Cholesterol 7 alpha-hydroxylase
CYP7Aとは、コレステロールの代謝および胆汁酸の生合成における律速段階を触媒する重要な酵素である。1 ヒトにおいてはCYP7A1遺伝子によってコードされており、主に肝臓の実質細胞に局在しているシトクロムP450ファミリーの分子種の一つである。2
本酵素は、コレステロールのステロイド核の7位を水酸化する反応を担う。1 この化学反応は、体内の過剰なコレステロールを胆汁酸へと変換して糞便中へ排泄する主要な経路の最初のステップであり、生体内の脂質代謝およびコレステロール恒常性の維持において極めて中心的な役割を果たしている。2
CYP7Aの活性や遺伝子発現は、複雑な分子機構によって厳密に制御されている。1 特に、腸管から肝臓へと還流する胆汁酸によるネガティブフィードバック調節を受け、ファルネソイドX受容体(FXR)などの核内受容体を介した経路によってその転写が抑制されることが知られている。2 これにより、体液中のコレステロール濃度や胆汁酸プールのサイズが過剰にならないように調節されている。1
臨床医学や薬理学の領域において、CYP7Aは高コレステロール血症や動脈硬化症といった生活習慣病の病態解明や治療戦略のターゲットとして注目されてきた。2 コレステロール低下薬などの薬剤が肝臓での脂質代謝経路に与える影響を評価する際にも、本酵素の働きや遺伝子発現の変化が指標とされることがある。1