HEALTH WORDS / 用語解説
肝臓
liver
人体の中で最大の臓器。体内のエネルギーを骨格筋とほぼ同じ割合(21.3%)で消費する。重さは体重の約2%を占める(1.0〜1.5kg)。レバーとも呼ばれる。12
右葉と左葉に分けられ、間には肝鎌状間膜が存在する。右葉は左葉よりも大きく、その下面には胆嚢が存在する。
肝臓を構成する細胞は、その大部分を占める肝細胞(肝実質細胞)と、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ運ぶ胆管の細胞である胆管細胞に分けられる。3
肝臓には細胞(肝細胞とそれ以外の肝非実質細胞)が2500億個もあるとされ、非常に高い再生能力を持ち、マウスの肝臓の70%を切除しても一週間程度で元の重量と機能を回復することが確認されている。4
肝臓の一部を切除した際の肝再生時には、肝臓は肝実質細胞や各種の肝非実質細胞がそれぞれ増殖することにより本来の大きさと機能を回復する。一方、肝実質細胞の増殖が阻害される状況や重篤な肝障害時においては、門脈域周辺から未分化性を有した特殊な細胞(マウスやラットでは「オーバル細胞」と呼ばれる)が出現し、これが肝実質細胞及び胆管上皮細胞に分化・増殖することにより肝臓の再生を行うことが知られており、再生医療の材料としても注目されている。5
肝臓の上面は横隔膜に接しており、下面には胆汁を溜める胆嚢がある。6
肝臓には肝動脈と門脈という2系統の血管から血液が入り込み、血液は類洞という毛細血管を通ったあと、中心静脈へと流れ出ていきますが、健康な肝臓では類洞に沿って肝細胞がきれいに整列し、中心静脈を中心にして放射線状に分布して、肝小葉という六角柱状の構造を形づくっています。7
肝臓は異常があっても痛みなどの自覚症状がほとんどなく、病気の発見が遅れる場合があるため、沈黙の臓器と呼ばれる。
肝臓の働き
肝臓の主な働きは以下の通り。
胆汁の分泌
食事をとると、胆嚢が胆汁を十二指腸に送り出し、それが十二指腸や小腸で脂質やビタミンの吸収を促進する。8
有害物質の分解・解毒
食事から吸収された物質は最初に肝臓に運ばれ、不要(有毒)なものは無毒化され、尿や便などで排泄できる形に代謝される。
例えば、アルコール(エタノール)は肝細胞でアセトアルデヒドを経て酢酸に分解され、最終的に水と二酸化炭素までに分解される。
口から摂取した物質は通常一番先に肝臓で処理されるので、有害物質による健康被害としては肝障害がもっともおこりやすいのです。... 人々にもっとも多く摂取されている典型的な有害物質はエタノール(お酒のこと)でしょう。9
グルコースの貯蔵
小腸で吸収されたブドウ糖(グルコース)は肝門脈を通じて肝臓に運ばれ、グリコーゲンに変えられて肝細胞内に貯蔵される。
肝臓におけるグルコース取り込みの主要なトランスポーターはGLUT2。グルコースはGLUT2によって肝細胞に取り込まれ、それをグルコキナーゼがリン酸化によって細胞質にグルコース-6-リン酸として捕捉する。10
肝臓に関係する病気
肝臓の機能が障害された際に、皮膚の色が黄色くなる黄疸という症状は、肝臓でビリルビンの処理が遅れて、血液中に黄色いビリルビンが増えるために起こる。11
参考文献・出典
- 肝臓と肝疾患、肝移植|移植外科|診療科案内|信州大学 医学部・医学系研究科 外科学講座(外科学第一): http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-surgery/shinryo/isyoku/liver-transplant/ ↩
- 西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt ↩
- 肝細胞がん:肝臓の病気と治療 | 東京医科歯科大学肝胆膵外科: http://www.tmd.ac.jp/grad/msrg/liver/cancer01.html ↩
- 肝臓の再生を担う肝細胞の驚くべき性質を解明 | 東京大学: http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_240601_02_j.html ↩
- 東大分生研 発生・再生研究分野 宮島研究室: http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/cytokine/research/oval.html ↩
- NHK高校講座 | 生物基礎 肝臓のつくりとはたらき: http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/seibutsukiso/ ↩
- 患者さんと家族のための肝硬変ガイドブック: https://www.jsge.or.jp/files/uploads/04_kankouhen.pdf ↩
- 広島大学 第一外科【胆道の病気】胆石とは?: http://surgery1.hiroshima-u.ac.jp/about/diagnosis/folder11/post-28.html ↩
- 日本評論社 畝山智香子 「健康食品」のことがよくわかる本 2016/1/15 ↩
- イソロイシンの糖代謝調節作用と臨床応用の可能性 吉澤史昭: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2015/01/86-03-07.pdf ↩
- ヘモグロビン | 生物学科 | 東邦大学: http://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/023713.html ↩