HEALTH WORDS / 用語解説
ETV6-RUNX1
ETV6-RUNX1 fusion gene
ETV6-RUNX1とは、小児の急性リンパ芽球性白血病(ALL)において最も高頻度に検出される染色体異常の一つであり、t(12;21)(p13;q22)転座によって生じる融合遺伝子およびそれに由来する異常タンパク質である。12
この融合遺伝子は、12番染色体短腕にあるETV6(TEL)遺伝子と、21番染色体長腕にあるRUNX1(AML1)遺伝子が切断および再結合して形成される。12
t(12;21)(p13;q22)転座は通常の核型検査では見逃されやすいため、蛍光in situハイブリダイゼーション法(FISH法)や逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT-PCR法)などの分子遺伝学的検査を用いて検出されることが多い。12
ETV6-RUNX1陽性の急性リンパ芽球性白血病は、一般に1歳から10歳未満の小児B細胞前駆性白血病患者に多く見られ、比較的予後が良好であるという臨床的特徴を持つ。12
ETV6タンパク質は転写抑制因子として機能し、RUNX1タンパク質は造血において中心的な役割を果たす転写因子であるため、両者の融合により正常な造血細胞の分化や増殖の制御が破綻すると考えられている。12
ただし、ETV6-RUNX1融合遺伝子が単独で発生しただけでは白血病の発症には不十分であり、出生後における二次的な遺伝子変異の蓄積が発病のトリガーになると指摘されている。12
近年のゲノム医療の進展に伴い、本遺伝子異常は小児白血病のリスク分類および治療方針を決定する重要なバイオマーカーとして広く活用されている。12