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HEALTH WORDS / 用語解説

GLIM基準

GLIM criteria

GLIM基準とは、世界的な栄養学の主要な学会が共同で策定した、成人における低栄養(栄養不良)を診断するための世界共通の診断基準である。1

従来の低栄養の評価は、BMIの低下や血清アルブミン値などの単一の指標に依存することが多く、国や地域、医療施設によって診断基準や有病率の評価にばらつきが存在するという課題があった。1

こうした背景から、国際的な栄養関連学会であるESPEN、ASPEN、BENSA、PENSAなどの代表者からなるグローバル・リーダーシップ・イニシアチブ・イン・マルニュートリション(GLIM)の作業部会が組織され、2018年に低栄養診断のための国際的な合意基準としてGLIM基準が提唱された。1

GLIM基準を用いた低栄養の診断プロセスは、2段階のステップで構成されている。1

第1段階ではスクリーニングが行われ、MST、MUST、NRS-2002などの標準化されたスクリーニングツールを用いて、リスクを有する患者が選別される。1

第1段階でリスクが検出された患者に対して第2段階のアセスメントが実施され、診断および重症度分類が行われる。1

第2段階における評価項目は、表現型(フェノタイプ)の基準と病因(エチオロジー)の基準の2つのカテゴリーに分類される。1

表現型の基準には、意図しない体重減少、低BMI、および筋肉量の減少の3つが含まれる。1

病因の基準には、食物摂取量の減少または消化吸収障害と、疾患負荷や炎症の存在の2つが含まれる。1

GLIM基準によって低栄養と確定診断を下すためには、表現型の基準から少なくとも1項目、および病因の基準から少なくとも1項目が同時に満たされている必要がある。1

診断が確立された後は、表現型の指標である体重減少の割合やBMI、筋肉量の減少の程度に基づいて、中等症または重症への重症度分類が行われる。1

この重症度分類は、その後の栄養療法の計画や予後の予測において重要な情報を提供する。1

GLIM基準は、臨床現場における低栄養の有病率を正確に把握し、医療従事者間での共通言語を確立するために極めて有用である。1

また、高齢者や様々な基礎疾患を持つ患者に対して広く適用できるため、サルコペニアやフレイルといった関連する病態との合併評価にも用いられている。2

参考文献・出典

  1. 日本静脈経腸栄養学会雑誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/34/6/34_1167/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
  2. 日本老年医学会雑誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriat/57/4/57_57.419/_pdf ↩