HEALTH WORDS / 用語解説
NELF
NELFとは、神経ペプチドの一種であるニューロメディジンSやGnRHニューロンの発生・移動に関与するタンパク質、あるいは分子生物学における転写伸長抑制因子(Negative Elongation Factor)など、文脈によって複数の重要な医学的・生物学的意味を持つ用語である。1 2
分子生物学の分野におけるNELF(Negative Elongation Factor)は、RNAポリメラーゼIIによる遺伝子の転写伸長を一時的に停止させる複合体として知られている。3
この複合体は哺乳類の細胞においてRNAポリメラーゼIIがプロモーター近傍で休止する現象(プロモーター proximal pausing)を引き起こし、遺伝子発現の迅速な制御において中心的な役割を担っている。1 3
NELF複合体は複数のサブユニットから構成されており、特にRNAポリメラーゼIIやDFFA様タンパク質に関連する遺伝子産物を含んでいる。2 3
真核生物の転写調節機構において、RNAポリメラーゼIIが転写開始後にいったん停止し、シグナルに応じて速やかに転写を再開する仕組みは、環境変化や発生段階に応じた遺伝子の精密な発現制御に不可欠である。1 3
NELFはP-TEFbなどのキナーゼ複合体によるリン酸化を受けることで、その転写抑制機能が解除され、RNAポリメラーゼIIが遺伝子のDNA鎖に沿って転写を伸長させることができるようになる。2 3
このようにNELFは転写の一時停止と再開というダイナミックなステップを制御することで、細胞内の様々な代謝経路や生理機能を正常に保つための分子機構の一部を形成している。1 3