HEALTH WORDS / 用語解説
NS5B
NS5B
NS5Bとは、C型肝炎ウイルス(HCV)のゲノムによってコードされるRNA依存性RNAポリメラーゼであり、ウイルスゲノムの複製において中心的な役割を果たす酵素である。1
C型肝炎ウイルスの遺伝子型はプラス鎖RNAをゲノムとして持っており、その感染と増殖の過程において、NS5Bは親ウイルスRNAを鋳型として相補的なマイナス鎖RNAを合成し、さらにそれを鋳型として新たなプラス鎖RNAを大量に産生する働きを担う。2
このRNA依存性RNAポリメラーゼとしての酵素活性は宿主の細胞には存在しないウイルス固有のものであるため、C型肝炎の治療薬開発において最も重要な分子標的の一つとして位置づけられてきた。3
NS5Bの阻害薬には、活性中心に結合して酵素機能を直接止めるヌクレオシド系阻害薬(NPI)と、活性中心以外の部位に結合して立体構造を変化させる非ヌクレオシド系阻害薬(NNPI)の2種類が存在する。3
これらの阻害薬を用いた直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の開発が進んだことにより、C型肝炎ウイルス感染症の治療成績は飛躍的に向上し、従来よりも高い治癒率が達成されるようになった。4
参考文献・出典
- PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/gene/994432 ↩
- Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/C%E5%9E%8B%E8%82%9d%E7%82%8E%ウイルス ↩
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/ ↩1 ↩2
- 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/ ↩