HEALTH WORDS / 用語解説
SLC8A
Solute Carrier Family 8 Member A
SLC8Aファミリーは、哺乳類のゲノムにおいてSLC8A1、SLC8A2、SLC8A3の3つの主要なサブタイプ(NCX1、NCX2、NCX3)に分類される。1
これらは興奮性の組織である心筋細胞や神経細胞、骨格筋などに広く発現しており、細胞内のカルシウム濃度を調節する上で極めて重要な役割を果たしている。1
通常の生理的な条件下では、細胞外のナトリウムイオンが持つ電気化学的な濃度勾配を利用して、細胞内からカルシウムイオンを細胞外へくみ出す「順方向」の輸送を行う。1
しかし細胞内のナトリウム濃度が上昇した場合や膜電位が脱分極した際には、逆方向の輸送、すなわちカルシウムイオンを細胞内に流入させナトリウムイオンを排出する機能も担うことができる。1
この可逆的な輸送メカニズムにより、SLC8Aによってコードされるタンパク質は、心臓の収縮・弛緩サイクルや神経細胞におけるシグナル伝達など、多様な生理現象の維持に寄与している。1
特にSLC8A1(NCX1)は心筋細胞に豊富に存在し、心拍ごとのカルシウム動態の調節を通じて心機能の維持に直接関与していることが知られている。1