HEALTH WORDS / 用語解説
βデフェンシン4
βデフェンシン4とは、ヒトの生体防御機構である自然免疫において重要な役割を果たす抗菌ペプチドの一種であり、主として上皮細胞から産生されて病原体の侵入を防ぐペプチドである。12
βデフェンシン4は、ヒトのゲノム上に存在するディフェンシン遺伝子クラスターにコードされているタンパク質であり、主に皮膚や気道、口腔などの粘膜組織において発現が確認されている。13
この分子は、細菌や真菌、ウイルスなどの外来異物に対して直接的な殺菌作用あるいは不活化作用を示すことが知られており、感染症に対する最初の防壁として機能している。12
その発現誘導メカニズムとしては、炎症性サイトカインや微生物由来のリポ多糖などの刺激を受けることによって、転写因子を介した遺伝子発現の亢進が引き起こされることが学術研究によって明らかにされている。32
また、βデフェンシン4は単なる抗菌作用にとどまらず、樹状細胞やT細胞などの免疫細胞に対して遊走活性を示すことが報告されており、自然免疫から獲得免疫へとつなぐ免疫誘導的な役割も担っている。13
近年の分子生物学および医学の分野においては、βデフェンシン4の発現異常がアトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患、あるいは呼吸器系の慢性炎症性疾患の病態形成に深く関与している可能性が示唆されている。23
このように、βデフェンシン4は生体のホメオスタシス維持や防御システムにおいて欠かせない因子であり、その詳しい機能解析や臨床応用に向けた研究が現在も多方面で進められている。12