HEALTH WORDS / 用語解説
ぶどう膜強膜流出路
uveoscleral outflow pathway
ぶどう膜強膜流出路とは、眼内の房水が線維柱帯を介さずに、虹彩の根元や毛様体のぶどう膜組織を経て強膜方向へ流出する副次的な流出路のことである。1
ヒトの眼におきましては、房水の主要な排出経路である線維柱帯流出路のほかに、このぶどう膜強膜流出路を通じた房水流出が存在しており、眼圧の恒常性維持において重要な役割を果たしている。2
房水は毛様体の無色素上皮から産生されたのち、後房から瞳孔を通過して前房へと移行する。3 前房に達した房水の大部分は隅角にある線維柱帯およびシュレム管を経由して房水静脈へと排出されるが、一部は虹彩表面や毛様体の間隙(ぶどう膜組織)に浸透していく。3
毛様体の間隙に入り込んだ房水は、さらに毛様体肌の筋束間を通って網様層上腔(脈絡膜上腔)へと達する。2 最終的に房水は強膜の実質を通過するか、あるいは毛様体や強膜を貫通する血管や神経の周囲の隙間を通って眼球外の上強膜組織へと流れ出ていく。2
このぶどう膜強膜流出路を通じた房水の流出量は、通常の眼においては全体の総房水流出量の数パーセントから十数パーセント程度を占めるとされているが、動物種や年齢、あるいは薬剤の投与によってその割合は大きく変動する特性を持つ。2 特に、プロスタグランジン関連薬などの緑内障治療薬は、このぶどう膜強膜流出路からの房水流出を促進する薬理作用を有しており、眼圧を効果的に下降させるための重要な標的経路となっている。4
参考文献・出典
- 日本眼科学会: https://www.nichigan.or.jp/public/disease/glossary/detail.html?item_id=295 ↩
- J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jji1950/45/5/45_5_361/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/07-眼疾患/眼の生理学/眼房水 ↩1 ↩2
- J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/122/4/122_4_267/_pdf ↩