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HEALTH WORDS / 用語解説

エストロゲン関連受容体

Estrogen-related receptor

エストロゲン関連受容体とは、核受容体スーパーファミリーに属する転写因子であり、エストロゲン受容体と高い配列の類似性を持つ一方で、エストロゲン自身とは結合しないオーファン受容体として同定されたタンパク質群である。1

エストロゲン関連受容体には、これまでにERRアルファ(ERRα / NR3B1)、ERRベータ(ERRβ / NR3B2)、ERRガンマ(ERRγ / NR3B3)の3つのサブタイプが同定されている。2

これらの受容体は、生体内においてエネルギー代謝、ミトコンドリアの生合成、糖質代謝、脂質代謝などの様々な代謝経路の制御において中心的な役割を果たしている。1

構造的には他の多くの核受容体と同様に、DNA結合ドメインとリガンド結合ドメインを有しており、標的遺伝子の特定のDNA配列に結合して転写を活性化あるいは抑制する。2

ERRαは、エネルギー需要の高い組織である骨格筋、心臓、肝臓、小腸などで広く発現しており、ミトコンドリア機能やエネルギー代謝の調節に関与している。1

ERRβは、初期発生や網膜の機能維持、あるいは特定の組織の分化において重要な役割を担っていることが示されている。3

ERRγは、脳や心臓、腎臓、消化管などに発現が見られ、特に心血管系の代謝や恒常性の維持において不可欠な機能を果たしている。4

これらの受容体は、外因性のリガンドを必要とせずに構成的な転写活性を持つことが特徴的であるが、コアクチベーターやコレプレッサーといったタンパク質との相互作用によってその活性が精密に調整されている。1

近年の医学および生物学の研究においては、エストロゲン関連受容体ががん細胞の増殖や代謝リプログラミング、さらにはメタボリックシンドロームなどの疾患の病態形成にも深く関与していることが明らかにされつつある。1

そのため、エストロゲン関連受容体は、悪性腫瘍や代謝疾患に対する新しい治療薬の標的分子として大きな注目を集めており、特異的な作動薬や拮抗薬の開発研究が進められている。1

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902021576403212 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2101 ↩1 ↩2
  3. PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2102 ↩
  4. PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2103 ↩