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HEALTH WORDS / 用語解説

代謝経路

Metabolic pathway

代謝経路とは、生体内において一連の酵素触媒反応によって分子が別の分子へと順次変換されていく一連の生化学的プロセスのことである12。

生物は生命活動を維持するために絶えずエネルギーを消費および産生しており、そのための化学反応のネットワークを構成しているのが代謝である12。

代謝経路は、大きく分けて異化と同化の2つの方向に分類することができる12。

異化の代謝経路では、糖質、脂質、蛋白質などの比較的複雑で大きな有機化合物が、酸化反応などを経てより単純な分子へと分解される12。

この分解の過程において、化学エネルギーが放出され、生体が直接利用できるATP(アデノシン三リン酸)などのエネルギー通貨が産生される仕組みになっている12。

一方で同化の代謝経路は、単純な前駆体物質から、生体の構造や機能に必須である複雑な生体高分子や各種代謝産物を合成する生合成のプロセスを指す12。

同化の進行には通常、異化によって得られたエネルギーや還元力が消費されるため、これら両者は密接に連動して細胞内のエネルギー代謝の均衡を保っている12。

代表的な代謝経路としては、グルコースをピルビン酸まで分解する解糖系があり、これは多くの生物の細胞質基質において普遍的に見られる初期の糖代謝経路である12。

解糖系で生成されたピルビン酸は、好気的条件の下ではミトコンドリアに取り込まれ、クエン酸回路(TCA回路あるいはクレブス回路とも呼ばれる)へと送られてさらに完全に酸化される12。

クエン酸回路の進行に伴い、NADHやFADH2といった補酵素が還元型として生成され、これらは電子伝達系(呼吸鎖)へと受け渡される12。

電子伝達系では電子の移動に伴ってプロトンが膜の内外へ輸送され、そのプロトン濃度勾配を利用してATP合成酵素が大量のATPを合成する酸化的リン酸化が達成される12。

これらの一連の反応経路は単独で孤立して存在するのではなく、各経路の中間代謝物が別の経路へ流入・流出することで複雑な代謝ネットワークを形成している12。

例えば、代謝経路の調節はフィードバック阻害やホルモンによるシグナル伝達などを介して厳密にコントロールされており、恒常性の維持に寄与している12。

参考文献・出典

  1. 国立情報学研究所 CiNii Research: https://cir.nii.ac.jp/crid/1570291225574343808 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906001705608298 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13