HEALTH WORDS / 用語解説
バーチャル酔い
Virtual Reality Sickness
バーチャル酔いは、映像の鑑賞や乗り物の乗車によって生じる動揺病や乗り物酔いと類似したメカニズムによって発生すると考えられている。1
人間は目からの情報である視覚と、耳の奥にある三半規管や耳石器で感知する平衡感覚および前庭覚、さらには筋肉や関節からの体性感覚を総合して、自身の身体の位置や運動状態を脳内で認識している。2
しかし、仮想現実空間内において移動していないにもかかわらず視覚情報だけが動いていると知覚した場合や、その逆に身体を動かしているのに映像の描画に遅延が生じた場合などには、これらの感覚器官の間で大きな情報の矛盾が生じることになる。1
このような感覚間の不整合が脳の中枢神経系に混乱をもたらし、自律神経系の失調を引き起こすことで、気分不良や冷や汗、吐き気、倦怠感などの症状が表面化すると説明されている。2
症状の現れ方やその強さには大きな個人差が存在し、一般的に年齢や性別、体調、あるいは過去の乗り物酔いの経験などが影響を与えることが知られている。1
特にヘッドマウントディスプレイの装着時には、視野の大部分が仮想空間の映像で占められるため、現実世界の情報が遮断されやすく、酔いを誘発しやすい環境が整いやすいという特徴がある。2
技術的な対策としては、フレームレートの向上や表示の遅延の削減、視野角の最適化、あるいは映像の揺れや激しい視点移動を抑制する設計上の工夫が行われている。1
また、使用者側の対策としても、長時間の連続した体験を避けて適度な休憩を入れることや、体調が優れない時の利用を控えることが推奨されている。2
参考文献・出典
- 総務省 情報通信白書: https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd142120.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo37_1.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4