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HEALTH WORDS / 用語解説

パエニバシラス・ポリミキサ

Paenibacillus polymyxa

パエニバシラス・ポリミキサとは、かつてバチルス属に分類されていた、土壌や植物の根圏などに広く生息する好気性または通性嫌気性の芽胞形成グラム陽性菌である。1 本種は植物の成長促進や病害抑制に寄与する根圏細菌(PGPR)としての側面を持ち、農業分野における生物防除資材やバイオ肥料の有効成分として研究および利用が進められている。2

パエニバシラス・ポリミキサの最も特筆すべき特性の一つは、ポリミキシンなどのペプチド系抗生物質をはじめとする多様な抗菌物質を生合成・産生する能力である。1 これらの代謝産物は、植物の病原菌やカビ、細菌などの生育を阻害または死滅させる作用を示すため、農作物を病害から守る自然免疫的な防御機構を強化する役割を果たす。2 また、植物の根の表面に定着してバイオフィルムを形成することにより、病原微生物が侵入する物理的空間を競合的に奪い、感染を未然に防ぐ効果も報告されている。1

さらに、本種は土壌中の難溶性のリン酸塩を可給態リンへと溶解させる能力や、空気中の窒素を固定する能力を有している場合があり、植物の栄養吸収を直接的かつ間接的に促進する。2 これにより、化学肥料や農薬の使用量を削減しながら作物の収量と品質を維持・向上させるための環境負荷の低い資材としての有用性が期待されている。2 バイオテクノロジーの分野においては、各種酵素の生産や工業的な発酵プロセスへの応用など、農業以外の産業分野での活用に向けた基礎研究および応用研究も盛んに行われている。1

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907038965613388 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター: https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2003/jr2003-01-3-4 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4