HEALTH WORDS / 用語解説
ピリミジンダイマー
Pyrimidine dimer
ピリミジンダイマーとは、紫外線の照射によってDNAを構成するピリミジン塩基(主にチミンやシトシン)の間で形成される二量体の総称である。1
生物の細胞が太陽光などに含まれる紫外線、特に200〜300 nm付近の波長に曝露されると、DNA鎖上で隣り合って存在するピリミジン塩基同士が共有結合によって架橋される。1
代表的な構造としては、チミン塩基の5番目と6番目の炭素の間、あるいは4番目のカルボニル基の間で環状構造を形成するシクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)や、チミンの6番目とシトシンの4番目のアミノ基が結合する(6-4)光産物などが知られている。2
こうしたDNA損傷が生じると、DNAの二重螺旋構造が局所的に歪み、DNA複製や転写といった正常な生体防御機構や遺伝情報の伝達が阻害される。1
多くの生物は、このようなピリミジンダイマーなどのDNA損傷に対処するため、ヌクレオチド除去修復機構や光回復酵素を用いた光回復機構などの高度なDNA修復システムを備えている。2
もしDNA修復機構が正常に働かずにピリミジンダイマーが細胞内に残留した場合、DNA複製の際に誤った塩基が取り込まれることで遺伝子変異が誘発される。1
ヒトの皮膚細胞において紫外線によるピリミジンダイマーの蓄積とそれに伴う変異の蓄積は、皮膚癌の発症や光老化を引き起こす主要な原因の一つとして広く知られている。1
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906064972589574 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201007019869502932 ↩1 ↩2