HEALTH WORDS / 用語解説
皮膚細胞
Skin cells
皮膚細胞とは、人体最大の臓器である皮膚を構成する多様な細胞の総称であり、外界からの物理的・化学的刺激に対する防御や生体防御、体温調節などの生体維持において極めて重要な役割を果たす組織である。1 皮膚は主に、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造に大別され、それぞれの層に特化した細胞が存在している。2
最外層である表皮は、大部分が角化細胞(ケラチノサイト)によって占められており、これが基底層から分裂・分化しながら皮膚表面へと移動し、最終的に角層を形成することでバリア機能を発揮する。3 表皮には角化細胞のほかにも、メラニン色素を産生して紫外線から生体を防御するメラノサイト(色素細胞)、免疫応答に関与するランゲルハンス細胞、触覚などの感覚受容に関わるメルケル細胞などが存在し、複雑な恒常性を維持している。2
表皮の下層に位置する真皮は、膠原繊維(コラーゲン)や弾性繊維(エラスチン)を産生・維持する線維芽細胞が主たる細胞成分であり、皮膚の強度や弾力性を保つ構造的基盤を提供している。4 また、真皮には血管内皮細胞からなる毛細血管やリンパ管、神経線維、さらには汗腺や皮脂腺などの付属器を構成する上皮細胞も含まれており、栄養素の供給や老廃物の排泄、体温調節に直接寄与している。1
さらに、真皮のさらに深部に位置する皮下組織には、脂肪滴を蓄積してエネルギー代謝や断熱を担う脂肪細胞が豊富に存在しており、物理的衝撃の緩和や体温保持に貢献している。2 これらの多様な皮膚細胞は、サイトカインやホルモンなどの生理活性物質を介した複雑な情報伝達ネットワークを形成しており、損傷を受けた際には迅速な創傷治癒や再生プロセスを誘導する能力を備えている。3
参考文献・出典
- 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002513476-00 ↩1 ↩2
- 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yk-058.html ↩1 ↩2 ↩3
- J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/skin/15/3/15_3_181/_article/-char/ja/ ↩1 ↩2
- J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaibiryo/50/2/50_109/_article/-char/ja/ ↩