HEALTH WORDS / 用語解説
ブラシノステロイド
ブラシノステロイドとは、植物の成長や発育のさまざまな段階において生理的な調節作用を示す、天然由来のステロイドホルモンの一種である。1
1970年にアブラナ科の一種であるセイヨウアブラナ(Brassica napus)の花粉中から植物の茎の伸長を促進する活性物質として初めて単離・同定された。1
その後、多くの植物種から類似の化学構造を持つ化合物が発見され、これらは総称してブラシノステロイドと名付けられた。1
ブラシノステロイドは、極めて微量であっても植物の細胞分裂や細胞伸長を強く促す作用を持っており、オーキシンやジベレリンなどの従来の植物ホルモンと並ぶ重要な成長因子として位置づけられている。1
植物の体内においては葉や茎、根、種子などあらゆる組織に広く分布しており、光合成の効率向上や維管束の分化にも深く関与していることが明らかにされている。2
また、ブラシノステロイドは植物の環境ストレスに対する耐性を高める機能を持つことでも広く知られている。2
低温や高温、乾燥、塩分濃度の上昇、さらには重金属汚染といった悪条件に植物がさらされた際、ブラシノステロイドは生体内の防御機構を活性化し、環境適応能力を向上させる役割を果たしている。2
このような優れた生理活性を持つことから、農業や園芸の分野において作物の収量増加や品質向上、環境ストレスによる被害の軽減を目的とした応用研究が進められている。2