HEALTH WORDS / 用語解説
マイネルト基底核
Meynert's basal nucleus
マイネルト基底核とは、大脳の基底核の一部を構成し、中枢神経系においてアセチルコリンを産生する主要なコリン作動性ニューロンの供給源として機能する神経核である。1
アナトミカルには前脳の底部、淡蒼球の腹側および無名質の領域に位置しており、大脳皮質の広範囲に対して神経繊維を投射している。2
この神経核に属するニューロンは、認知機能、特に記憶や注意の維持において極めて重要な役割を果たしていることが知られている。2
病理学的な観点において、マイネルト基底核はアルツハイマー病などの神経変性疾患との深い関連性が指摘されている。2
アルツハイマー病の患者の脳においては、このマイネルト基底核におけるコリン作動性ニューロンの著しい脱落や神経細胞の変性が観察されることが多い。2
このような神経変性に伴い、大脳皮質におけるアセチルコリンの濃度が低下し、これが認知症症状の発現や進行に大きく寄与していると考えられている。2
歴史的には、19世紀の精神科医であるテオドール・メイネルト(Theodor Meynert)の名にちなんで命名された構造であり、その後の神経解剖学や神経病理学の発展において重要な研究対象となってきた。2
構造的な詳細としては、霊長類などの哺乳類において、マイネルト基底核はいくつかの亜領域に分類されることが示されており、それぞれが異なる皮質領域へと特異的な投射を行っている。3
参考文献・出典
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%88%E5%9F%BA%E5%BA%95%E6%A0%B8 ↩
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%A4%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%88%E5%9F%BA%E5%BA%95%E6%A0%B8 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseirigaku/30/3/30_113/_pdf/-char/ja ↩1 ↩2