HEALTH WORDS / 用語解説
ラミニン-2
ラミニン-2とは、主に骨格筋や末梢神経などの基底膜に多く存在する細胞外マトリックス蛋白質の一種であるラミニンファミリーのアイソフォームである。1
ラミニンはα鎖、β鎖、γ鎖の3本のポリペプチド鎖がジスルフィド結合によってヘテロ三量体を形成した十字架状またはT字状の構造を持つ糖蛋白であり、組織の構造維持や細胞の接着、分化、遊走などの多様な生理活性に関与している。2
ラミニン-2は、特にメロシンという別名でも知られており、歴史的には骨格筋の筋線維を取り囲む基底膜の主要な構成分子として研究が進められてきた。1
分子構造の観点から見ると、ラミニン-2はα2鎖、β1鎖、γ1鎖から構成されており、生化学的な分類では「ラミニン-211」とも称される。2
このα2鎖をコードする遺伝子に変異が生じると、ラミニン-2の正常な産生や機能が損なわれ、これが原因となって先天性筋ジストロフィーの一種であるメロシン欠損性先天性筋ジストロフィーが引き起こされることが知られている。1
臨床医学および神経科学の分野において、ラミニン-2の欠損は筋力低下や筋萎縮だけでなく、中枢神経系や末梢神経系における髄鞘(ミエリン)の形成異常や機能障害とも深く関連していることが明らかにされている。3
このように、ラミニン-2は単なる細胞外マトリックスの物理的な足場としての役割にとどまらず、筋組織および神経組織の正常な発達、維持、そして機能発揮に不可欠な極めて重要な分子である。1
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201002010260787123 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302021673070498 ↩1 ↩2
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201102073998858978 ↩