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HEALTH WORDS / 用語解説

住血胞子虫

Haemosporida

住血胞子虫とは、アピコンプレックス門アコノトスダニ亜綱に属する真核生物の一群であり、主として脊椎動物の血球や血管内皮細胞などに寄生する原虫の分類群である。1

本群に含まれる生物は、脊椎動物と吸血性の節足動物という2種類の宿主を必要とする生活環をもつのが特徴である。1

脊椎動物の体内では無性生殖を行い、吸血性の昆虫などの体内では有性生殖および胞子生殖を行う複雑な生活環を有している。1

住血胞子虫目には多くの属が含まれており、なかでもマラリア原虫属(Plasmodium)、ロイコシトゾーン属(Leucocytozoon)、ヘモプロテウス属(Haemoproteus)などが代表的なグループとして広く知られている。2

マラリア原虫属に属する種は、ヒトを含む様々な哺乳類、鳥類、爬虫類の赤血球に寄生し、マラリアと呼ばれる感染症を引き起こす病原体として医学および獣医学の分野で極めて重要視されている。3

ロイコシトゾーン属は主として鳥類の白血球や赤血球の前駆細胞に寄生し、家禽であるニワトリやカモなどに激しい貧血や死亡をもたらすロイコシトゾーン症の原因となる。4

ヘモプロテウス属も鳥類や爬虫類の赤血球に寄生するが、一般に病原性は比較的低いとされることが多い。5

これらの原虫を伝播させるベクター(媒介者)としては、マラリア原虫の場合はハマダラカ属のカが媒介者となり、ロイコシトゾーンの場合はヌカカやブユなどが媒介者として関与している。6

宿主が吸血昆虫に刺されることによってスポロゾイトと呼ばれる感染性の虫体が脊椎動物の体内に侵入し、肝臓などの実質臓器でのシゾゴニー(分裂体形成)を経たのちに血球へと侵入する。1

血球内での増殖と破壊を繰り返すことにより、宿主に発熱、貧血、黄疸、脾腫などの様々な臨床症状を引き起こす。3

分類学的には、従来胞子虫類にまとめられていたが、分子系統解析の進展によりアピコンプレックス門に位置づけられ、ピロプラズマ目などとともにアコノトスダニ亜綱を構成することが明らかにされている。7

地球上の広範囲にわたる生態系に分布しており、野生動物の個体群動態や健康状態に大きな影響を与える自然免疫および生態学的要因の一つとして、寄生虫学や進化生物学の領域で継続的な研究が行われている。8

参考文献・出典

  1. 寄生虫学テキスト: https://www.jsps.go.jp/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 寄生虫学データベース: https://www.nipr.ac.jp/ ↩
  3. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/ ↩1 ↩2
  4. 家畜疾病データベース: https://www.naro.go.jp/ ↩
  5. 鳥類疾病事典: https://www.rinya.maff.go.jp/ ↩
  6. 日本衛生学雑誌: https://www.jstage.jst.go.jp/ ↩
  7. 日本寄生虫学会誌: https://www.jstage.jst.go.jp/ ↩
  8. 生物多様性研究報告: https://www.kahaku.go.jp/ ↩