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HEALTH WORDS / 用語解説

感染性

Infectiousness

感染性とは、病原体が宿主の体内へ侵入し、そこで増殖・定着した上で、さらに別の宿主へと伝播する能力を指す医学および生物学上の特性である。1

疫学や感染症学の分野において、この特性は病原体が集団内でどれほど広がりやすいかを示す重要な指標として扱われる。2

一般的に感染性の強さは、病原体の性質だけでなく、宿主側の免疫状態や環境要因によっても大きく変動する。3

感染性を有する病原体には、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などが含まれており、それぞれ特有の感染経路を介して伝播する。4

主な感染経路としては、飛沫感染、空気感染、接触感染、ならびに経口感染やベクターを介した媒介感染などが挙げられる。5

それぞれの病原体が持つ感染性の度合いを評価する際には、基本再生産数(R0)などの数理モデルを用いた指標が広く活用されている。6

基本再生産数とは、免疫を持たない集団において、1人の感染者が平均して何人の新たな感受性者に感染させるかを示す値であり、感染性の高低を定量的に比較する上で不可欠な概念である。7

また、医療機関や福祉施設などの現場では、院内感染や施設内感染を防ぐために、病原体の感染性に応じた標準予防策(スタンダード・プリコーション)や感染経路別予防策が厳格に実施される。8

これらの対策には、手指衛生の徹底、個人防護具の適切な着用、および環境清掃や滅菌・消毒の実施が含まれており、感染性物質による汚染を最小限に抑える役割を果たしている。9

生物学的製剤や血液製剤の製造過程においても、供血者からのスクリーニング検査や不活化処理を通じて、血液を介した感染性因子の混入を防ぐための厳格な安全管理体制が敷かれている。10

参考文献・出典

  1. 感染症法に基づく医師の届出ガイドライン: https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-32.html ↩
  2. 国立感染症研究所 感染症疫学センター: https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab-manuals/2246-idsc/2545-epidemiology-intro.html ↩
  3. 厚生労働省 感染症予防の基本: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html ↩
  4. 国立感染症研究所 感染源と感染経路: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/420-pathogen-route.html ↩
  5. 厚生労働省 院内感染対策指針: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000055416.pdf ↩
  6. 国立感染症研究所 数理モデルと感染症流行予測: https://www.niid.go.jp/niid/ja/surveill-data.html ↩
  7. 厚生労働省 新型インフルエンザ等対策有識者会議: https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2m3_04.html ↩
  8. 厚生労働省 医療関連感染対策: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kansen/index.html ↩
  9. 国立国際医療研究センター 国際感染症センター: https://dcc.ncgm.go.jp/index.html ↩
  10. 厚生労働省 血液事業に関する情報: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/ketsueki/index.html ↩