HEALTH WORDS / 用語解説
修飾塩基
Modified base
修飾塩基とは、生物のRNAやDNAを構成する塩基のうち、通常の主要な塩基(アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン)が、転写後あるいは複製後に化学的な修飾(メチル化、アセチル化、シュードウリジン化など)を受けて構造が変化したものの総称である。1
修飾塩基は特にRNA分子において多様かつ豊富に存在することが知られており、これまでに150種類以上の異なる修飾塩基が同定されている。2
なかでもトランスRNA (tRNA)やリボソームRNA (rRNA)といった非コードRNAにおいて数多く見出され、RNAの立体構造を安定化させたり、遺伝暗号の解読におけるコドンとアンチコドンの正確な塩基対形成を助けたりする上で極めて重要な役割を果たしている。1
近年の分子生物学の進展により、メッセンジャーRNA (mRNA)においてもN6-メチルアデノシン(m6A)をはじめとする多様な修飾塩基がダイナミックに存在し、遺伝子発現の調節、mRNAの安定性、スプライシング、そして翻訳の効率に深く関与していることが明らかになっている。3
これらの修飾塩基の付加や除去を行う酵素群の異常や変異は、細胞の正常な機能維持を損なう原因となり、がんや神経疾患をはじめとする様々なヒト疾患の発症に関与していることが示唆されており、新しい創薬標的としても大きな注目を集めている。3
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906019553641775 ↩1 ↩2
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201002014167389230 ↩
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201702298642751475 ↩1 ↩2