HEALTH WORDS / 用語解説
原発性骨粗鬆症
原発性骨粗鬆症とは、骨密度の低下や骨質の劣化により骨がもろくなり、骨折のリスクが高まる疾患のうち、明確な原因疾患が特定されないものの総称である。1
骨は常に古い骨が吸収される骨吸収と、新しい骨が作られる骨形成という骨代謝のバランスを繰り返して維持されている。2
原発性骨粗鬆症の大部分は、閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の減少や加齢が主な要因となって発症する。1
エストロゲンには骨吸収を穏やかに抑制する働きがあるため、閉経によって女性ホルモンが急激に減少すると、骨吸収のスピードが骨形成のスピードを上回るようになる。2
その結果、骨の内部スカフォールドが粗くなり、骨強度が低下して骨折しやすい状態が作り出される。1
また、加齢そのものによる骨芽細胞の機能低下や、腸管からのカルシウム吸収力の低下、ビタミンDの代謝異常なども骨密度低下を加速させる重要な要因となる。2
原発性骨粗鬆症は自覚症状を伴いにくく、骨折して初めて気付かれるケースが少なくない。1
特に好発する部位としては、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根(大腿骨近位部骨折)などが挙げられる。1
脊椎の圧迫骨折が生じると、背中が丸くなったり身長が縮んだりするほか、慢性的な腰背部痛の原因となる。1
さらに、大腿骨近位部骨折は高齢者の寝たきりや要介護状態の主要な引き金となるため、早期の発見と適切な介入が極めて重要視されている。2
診断においては、二重エネルギーX線吸収法(DXA法)などの画像診断機器を用いて腰椎や大腿骨近位部の骨密度を測定し、診断基準に基づいて評価が行われる。1
加えて、血液検査や尿検査により骨代謝マーカーを測定し、骨吸収や骨形成の動態を把握することで、病態の評価や治療薬の選択に役立てられる。1
治療および予防のアプローチとしては、食事療法、運動療法、薬物療法の三本柱が基本となる。1
食事療法では、骨の構成成分であるカルシウムや、その吸収を助けるビタミンD、骨タンパク質の合成や代謝に関与するビタミンKを十分に摂取することが推奨される。2
運動療法は、骨に適度な負荷をかけることで骨形成を促す目的で行われ、ウォーキングや荷重運動が効果的とされている。2
薬物療法には、過剰な骨吸収を抑えるビスホスホネート製剤、デノスマブ、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)のほか、骨形成を促進する副甲状腺ホルモン(PTH)製剤などが病状に応じて使い分けられる。1