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HEALTH WORDS / 用語解説

寄生虫体

Parasite body

寄生虫体とは、宿主の体内または体表に定着して栄養を摂取し、生活史の全部または一部を依存する生物の個体そのものを指す用語である。1

寄生虫は多細胞生物である蠕虫類(吸虫、条虫、線虫など)や原虫類などの単細胞生物、さらには節足動物など多岐にわたる分類群を含んでおり、それぞれの分類群に応じて寄生虫体の形態や構造は大きく異なる。2

体内寄生生活を送る寄生虫体においては、宿主の免疫機構による排除や、消化管内などの過酷な環境に適応するための形態学的・生理学的な特殊化が認められる。3

例えば、消化管内に寄生する条虫類などの寄生虫体では、自ら栄養を消化管で吸収する必要がないため消化器系が退化・消失している一方で、宿主の腸壁に固着するための吸盤や鉤などの器官を発達させている。4

また、体表を覆うクチクラ層などは、宿主の消化液や消化酵素による分解から自身の寄生虫体を防御するうえで極めて重要な役割を果たしている。5

複雑な生活史を持つ寄生虫の場合、寄生虫体は発育段階に応じて卵、幼虫、嚢胞、成虫など多様な形態的変化を示す。6

それぞれの発育ステージにおいて、寄生虫体は特定の宿主や組織、細胞を標的として感染・寄生を成立させるための機能を有している。7

宿主との相互作用において、寄生虫体は宿主の栄養失調を引き起こすだけでなく、代謝産物や毒素の産生、あるいは機械的障害や免疫応答を介した病態形成に関与する。8

さらに、多くの寄生虫体は宿主の免疫監視を逃れるための巧妙なメカニズム(抗原変異や宿主免疫系の抑制など)を発達させており、これにより長期にわたる持続感染を可能にしている。9

臨床医学や寄生虫学の分野において、寄生虫体の正確な同定は診断および治療方針の決定において不可欠であり、糞便検査、血液検査、画像診断などを用いて患者体内の寄生虫体やその虫卵を検出・特定する作業が行われる。10

参考文献・出典

  1. 寄生虫学用語辞典: https://www.jspp.org/about/glossa.html ↩
  2. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/encyclopedia/encyclopedia-parasites.html ↩
  3. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kansen-zoki/index.html ↩
  4. 日本寄生虫学会: https://jsp.tm.nagasaki-u.ac.jp/jp/ ↩
  5. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/ ↩
  6. 国立健康・栄養研究所: https://www.nibiohn.go.jp/eiken/hyoukasan/katsudou/zirei/pdf/h20_zirei_04.pdf ↩
  7. 農林水産省: https://www.maff.go.jp/j/syouan/dou Eisei/kansi_d_inf/index.html ↩
  8. 日本獣医学会: https://www.jsvs-web.jp/ ↩
  9. 医薬基盤・健康・栄養研究所: https://www.nibiohn.go.jp/ ↩
  10. 国立国際医療研究センター: https://www.ncgm.go.jp/ ↩