HEALTH WORDS / 用語解説
小ペプチド
Small peptide
小ペプチドとは、一般にアミノ酸が数個から数十個程度結合した、分子量の小さなペプチドの総称である。1
従来、ゲノム上のタンパク質をコードしない領域(non-coding region)やノンコーディングRNAであるとみなされていた領域の中には、実は生理活性を持つ小ペプチドを翻訳するものが多く含まれていることが近年の分子生物学やゲノム科学の進展により明らかにされてきた。2
こうした小ペプチドは、従来のゲノム解析においてアノテーションから見落とされてきたことが多く、プロテオミクス解析やリボソームプロファイリングといった網羅的解析技術の発展に伴い、その存在や機能が次々と発見されつつある。2
生物体内における小ペプチドの機能は多岐にわたっており、細胞膜の透過性やシグナル伝達、さらにはホルモン様作用など、様々な生命現象の調節において重要な役割を担っていることが示唆されている。1
例えば、植物から動物に至るまで幅広い生物種において、ストレス応答や発生・分化の過程を制御する制御因子として働く小ペプチドが多数報告されている。1
また、細胞内でのタンパク質間相互作用を修飾したり、膜結合タンパク質の機能を調節したりするなど、微小な分子サイズでありながら特異的かつ強力な生物活性を示す点が大きな特徴である。2
このように、小ペプチドは生命科学のフロンティアの一つとして位置づけられており、その網羅的な同定や機能解析が進めることで、新規の医薬品開発や農業分野における品種改良への応用が期待されている。1
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906067757973700 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- NBDClifescienceDB: https://integbio.jp/dbcatalog/ja/record/nbdc01784 ↩1 ↩2 ↩3