HEALTH WORDS / 用語解説
平面培養
Two-dimensional culture
平面培養とは、細胞をシャーレや培養フラスコなどの平らな基質の表面に接着させ、単層あるいはそれに近い状態で増殖・維持させる生体外(**in vitro**)培養法の伝統的な手技である。1 2
この手法は生物学や医学の研究において最も基礎的な培養基盤として広く採用されてきた。1
平面培養では、細胞が二次元的な平面上に広がるため、顕微鏡を用いた細胞形態の観察や、タイムラプスイメージングによる動態解析が容易であるという大きな利点を持つ。2
また、培地の交換や継代培養といった日々の維持管理操作が比較的単純であり、大量の細胞を均一な条件で効率よく調製することが可能である。2
しかし一方で、平面培養には生体内の三次元的な微小環境を十分に再現できないという本質的な限界が存在する。1
生体内において多くの細胞は、隣接する細胞や細胞外マトリックスと立体的な相互作用を行っているが、平面培養された細胞は硬いプラスチックやガラスの表面に強制的に接着させられるため、遺伝子発現プロファイルや薬剤応答性が生体内とは異なる挙動を示すことがしばしば指摘されている。2
そのため、近年の再生医療や創薬研究の分野では、より生体に近い組織構造や機能を再現できる三次元培養やスフェロイド、オルガノイドといった技術への移行が進められている。1
それでもなお、平面培養はその標準化された操作性とコストパフォーマンスの高さから、スクリーニングの初期段階や分子生物学的な基本実験において不可欠な技術として現在も重宝されている。2