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HEALTH WORDS / 用語解説

三次元培養

Three-dimensional culture

三次元培養とは、細胞を生体内(イン・ビボ)の環境に近い立体的な構造を保った状態で培養する技術および手法の総称である。1 従来の培養皿などの平面的な基質を用いた二次元培養とは異なり、細胞が物理的な空間全体にわたって細胞外マトリックスと相互作用しながら三次元的に増殖・構築される点が最大の特徴である。2

生体内の多くの組織や器官において、細胞は単なる平面状の配列ではなく、複雑な三次元的な微小環境(ニッチ)に置かれている。 二次元培養環境下では、細胞と細胞外マトリックスの接着面が限定されるため、細胞の形態や遺伝子発現、さらに薬剤に対する応答性が生体内とは異なる挙動を示すことが広く知られている。 これに対し、三次元培養を用いることで、生体組織に近い細胞形態の維持や、細胞間相互作用、物質移動の再現性が向上し、より生理的に妥当な実験データを取得することが可能となる。2

三次元培養の具体的な手法としては、足場(スキャフォールド)を用いる方法と用いらない方法に大別される。 足場を用いる手法では、コラーゲン、マトリゲル、ヒアルロン酸、あるいは合成高分子材料などの生体材料やマトリックス内部に細胞を包埋、あるいはその表面に細胞を播種して立体培養を行う。 一方、足場を用いない手法(非足場法)では、超低吸着プレートやハンギングドロップ法などを用いて細胞同士を自発的に凝集させ、スフェロイド(球状細胞塊)やオルガノイド(臓器原基)を形成させる。1

オルガノイド技術の進展に伴い、多能性幹細胞や組織幹細胞を用いた三次元培養によって、小腸、脳、肝臓、腎臓などの臓器特異的な構造や機能の一部を体外で再現することが可能となっている。 これにより、発生生物学や病態メカニズムの解明だけでなく、創薬スクリーニングや毒性試験における動物実験代替法としての活用が進んでいる。2

さらに、再生医療の分野においても、患者由来の細胞を用いた三次元組織の構築や、移植用の組織・器官の作製に向けた研究開発において三次元培養は極めて重要な基盤技術となっている。1

参考文献・出典

  1. ライフサイエンス統合データベースセンター: https://integbio.jp/dbcatalog/record/nbdc01446 ↩1 ↩2 ↩3
  2. 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/ani/reaj/pdf/72/72_40-42.pdf ↩1 ↩2 ↩3