HEALTH WORDS / 用語解説
培養フラスコ
Culture flask
培養フラスコは、主として哺乳類由来などの付着依存性の細胞をシャーレよりも広い面積で効率よく増殖させるために用いられる。1
一般的な材質としては、透明度が高く顕微鏡下での観察に適したポリスチレンなどのプラスチック樹脂や、耐熱性や滅菌性に優れたホウケイ酸ガラスが使用される。2
形状は底面が平らな扁平なものが多く、液体培地と細胞を保持しながら、インキュベーター内で重力を利用して安定して設置できるよう設計されている。3
培養の際には、容器内部の無菌状態を維持しつつ気体交換を行なう必要があるため、キャップの構造に工夫が凝らされている。1
従来の綿栓や単純な蓋のほかに、フィルターが内蔵された通気性キャップ(メンブレンフィルター付きキャップ)を備えた培養フラスコが広く普及している。2
これにより、コンタミネーションの原因となる細菌や真菌などの微生物の侵入を防ぎながら、細胞分裂や代謝に必要な酸素を供給し二酸化炭素を排出することが可能となる。3
また、付着細胞の培養を行う場合、そのままではプラスチック表面に細胞が定着しにくいことがあるため、フラスコの内底面に対してコロナ放電処理やプラズマ処理などの親水化処理(細胞培養表面処理)が施されている製品が多い。2
この表面処理によって細胞外マトリックス成分や血清タンパク質が吸着しやすくなり、細胞の接着、伸展、および増殖が促進される。1
培養フラスコには、ピペットやセルスクレイパーなどの実験器具を底部まで容易に挿入できるように、首部分が傾斜したネック形状(スクリューキャップ式など)を採用しているものが多い。3
医学や生物学の分野では、基礎研究における細胞生物学的な解析のほか、ウイルス学におけるウイルス分離やワクチン製造、さらには再生医学における幹細胞の大量培養など、幅広いライフサイエンス研究の現場で不可欠な実験器具として利用されている。2
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906044733568858 ↩1 ↩2 ↩3
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906018318854497 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007739556-00 ↩1 ↩2 ↩3