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HEALTH WORDS / 用語解説

幽門狭窄症

幽門狭窄症とは、胃の出口である幽門部が何らかの原因によって狭くなり、胃内容物が十二指腸へスムーズに移行できなくなる疾患の総称である。1 2 この病態には、乳児期に発症する先天性の疾患と、成人以降に消化性潰瘍や悪性腫瘍などの後天性要因によって引き起こされる疾患が含まれる。1 3

乳児肥厚性幽門狭窄症は、生後数週間の乳児、特に男児に多く見られる疾患であり、幽門の平滑筋が著しく肥厚することが特徴である。4 3 この疾患の代表的な症状は、授乳後しばらくしてから起こる胆汁を含まない噴水状の嘔吐である。4 2 嘔吐を繰り返すことにより、胃酸の喪失に伴う低クロール性アルカローシスや脱水症状、電解質異常、栄養障害を引き起こすため、速やかな診断と治療が必要となる。4 3

乳児肥厚性幽門狭窄症の診断においては、腹部触診により肥厚した幽門がオリーブ大の腫瘤として触知されることがある。4 また、画像検査として超音波検査や上部消化管造影検査が広く用いられ、幽門部の筋肉の肥厚や狭窄の程度を非侵襲的かつ詳細に評価することが可能である。3 4

治療方針としては、電解質異常や脱水の補正を行った上で、外科的治療である幽門筋切開術(ラムステット手術)が行われるのが一般的である。4 3 この手術では、粘膜を傷つけないように肥厚した幽門筋を縦方向に切開して狭窄を解除し、胃内容物の通過障害を改善する。3 術後の経過は概ね良好であり、適切な管理のもとで授乳が再開され、正常な発育が期待できる。2 3

一方、成人における幽門狭窄症は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の瘢痕化や炎症による浮腫、あるいは胃がんなどの悪性腫瘍による機械的な閉塞が主な原因となる。1 成人の病態においても、食物が胃内に貯留するため、食後の上腹部痛、悪心、嘔吐、体重減少などの消化器症状が慢性的に現れる。1 成人の診断には、内視鏡検査によって幽門部の狭窄原因や粘膜病変を直接確認し、必要に応じて生検を行って悪性腫瘍の除外を行うことが重要である。1 成人の治療は、原因疾患に応じて薬物療法、内視鏡的バルーン拡張術、あるいは外科的切除などの手術療法が選択される。1

参考文献・出典

  1. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/09-消化器疾患/胃および十二指腸疾患/胃閉塞 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. 国立成育医療研究センター: https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/011.html ↩1 ↩2 ↩3
  3. 日本小児外科学会: https://www.jsps.or.jp/general/about/disease/congenital/yuumon ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  4. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/19-小児疾患/消化管の異常/肥厚性幽門狭窄症 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6