HEALTH WORDS / 用語解説
排膿
Drainage of pus
排膿とは、体腔や組織の内部に貯留した膿を体外へ排除する医療処置または自然に排出される現象のことである。1
膿は化膿性炎症の結果として生じる滲出液であり、崩壊した白血球(主に好中球)や壊死した組織片、細菌および血漿成分などから構成される混濁した液体である。1
生体の深部や皮下、臓器などに膿が貯留して膿瘍が形成された場合、自然な排泄が困難なことが多く、そのまま放置すると周囲組織の圧迫や感染の拡大、さらには敗血症などの重篤な全身症状を引き起こす原因となるため、積極的な排膿が必要とされる。1
医療現場における排膿の手技としては、皮膚や粘膜に局所麻酔を行った上でメスなどを用いて切開を加え、膿の出口を確保する切開排膿が広く行われる。1
切開して膿を排出させるだけでなく、膿瘍腔の内部を生理食塩水などで洗浄することや、膿が再び貯留するのを防ぐためにドレーンと呼ばれる管を留置して持続的に排液を行うドレナージという方法が併用されることも多い。1
歯科領域においても、根尖性歯周炎や歯周病の進行によって歯肉や歯根の周囲に膿が溜まった際、歯髄腔を開けたり歯肉を切開したりして排膿を図る治療が日常的に実施される。2
排膿を行うことによって、局部の腫脹や疼痛、発赤といった炎症症状が劇的に軽減され、創傷治癒の促進や感染症の制御に大きく寄与することになる。1
ただし、適切な無菌操作や抗菌薬の併用が行われない場合、二次感染を引き起こす危険性もあるため、医師や歯科医師などの専門的な知識と技術に基づいて慎重に実施されなければならない。1
参考文献・出典
- 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ ↩