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HEALTH WORDS / 用語解説

放射線曝露

Radiation Exposure

放射線曝露とは、人体または物質が放射線にさらされること、または放射線が照射される現象を指す。1 電離放射線や非電離放射線の場に身を置くこと全般を意味し、医学、生物学、放射線防護などの分野において極めて重要な概念である。2

放射線の種類には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線などの電離放射線と、紫外線や赤外線などの非電離放射線が含まれるが、一般に放射線防護の文脈では人体に電離作用を及ぼす電離放射線による被ばくを念頭に置かれることが多い。1 放射線曝露は、その状況や原因によって多様な形態に分類され、人間社会においては自然環境からの自然放射線だけでなく、医療行為や工業利用など人工的な発生源からの放射線にさらされる機会が存在する。2

曝露の形態の一つとして、外部からの放射線を受ける外部被ばくと、放射性物質が体内にとりこまれることによって受ける内部被ばくの双方が区別される。1 外部被ばくは、線源が体の外部に存在し、そこから放出される放射線が体外から照射される状態を言い、線源から離れることや遮蔽材を用いることで線量を低減させることが可能である。2 一方、内部被ばくは、放射性物質を含む空気の吸入や飲食物の摂取などを通じて、放射性物質が体内へ侵入・沈着し、体内から放射される放射線に持続的にさらされ続ける状態を指す。2

また、曝露の受ける時間や状況の観点からは、短時間に多量の放射線を受ける急性被ばくと、長期間にわたって少量の放射線を受け続ける慢性被ばくに分けられる。1 医療分野におけるX線検査や放射線治療などは、診断や治療という明確な目的を持って意図的に行われる放射線曝露の代表例であり、これらは患者の健康上の利益が放射線による潜在的なリスクを上回るよう厳重に管理されている。2

生物学的影響の観点から、放射線曝露が細胞内のDNAやその他の分子に与える影響は、その線量や強度によって大きく異なる。2 大量の放射線に急激に曝露された場合には、細胞の生存率が著しく低下し、造血機能障害や消化管障害などの急性障害(組織反応)を引き起こす可能性がある。1 一方で、低線量の放射線曝露や長期にわたる慢性被ばくでは、DNAの損傷が修復しきれずに生じた変異が、将来的ながん発生リスクや遺伝的影響などの確率的影響として現れると考えられている。2

このような放射線曝露による健康リスクを管理するため、国際的な防護基準や国内の法令に基づき、被ばく線量の限度が定められている。1 放射線防護の基本原則には、行為の正当化、防護の最適化、および個人線量限度の適用が含まれており、不必要な放射線曝露を社会全体で合理的に達成可能な限り低く抑える(ALARA原則)ことが徹底されている。2

参考文献・出典

  1. 原子力規制委員会 放射線副読本: https://www.nsr.go.jp/data/000231908.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. 環境省 放射線による健康影響等に関するポータルサイト: https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8