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HEALTH WORDS / 用語解説

急性障害

Acute Injury / Acute Disorder

急性障害とは、有害な物理的因子、化学物質、生物学的因子、あるいは精神的ストレスなどの外因に曝露された際、きわめて短時間(数分から数日以内)のうちに発症する生体の機能障害または形態学的変化の総称である。1

医学・生物学の分野において、急性障害は慢性障害に対比される概念であり、その病態は原因となる曝露の性質や強度、および侵襲を受ける組織や器官によって多岐にわたる。2

臨床医学的および病理学的には、急性障害の発生機序として細胞への直接的な毒性、急性炎症反応、循環障害、酸化ストレスの亢進などが挙げられる。3

例えば、放射線や化学物質の急激な大量曝露によって引き起こされる急性障害では、DNA損傷や細胞死(アポトーシスやネクローシス)が誘発され、造血器系や消化器系などの細胞分裂が活発な組織において深刻な機能不全がもたらされる。4

また、スポーツ医学や整形外科の領域における急性障害(いわゆる急性外傷)は、スポーツ活動中などに一度の大きな外力が加わることで生じる骨折、脱臼、靭帯損傷、筋挫傷などを指し、慢性障害であるスポーツ障害とは区別される。5

職業性疾病や労働安全衛生の文脈においても、有機溶剤や有毒ガスの漏洩などによる急性中毒や熱中症といった急性障害は、迅速な診断と適切な救急医療介入が生死を分ける重要な病態として扱われている。6

このように、急性障害の概念は毒性学、臨床医学、公衆衛生学、スポーツ医学など幅広い分野で用いられており、いかに早期に原因物質や外力の除去、および対症療法や根本治療を行うかが予後を大きく左右する。7

参考文献・出典

  1. 厚生労働省職場のあんぜんサイト: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/kensaku/anzen50/49.html ↩
  2. 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部: https://www.nihs.go.jp/ICSC/ ↩
  3. 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所: https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/shiryo/s_h30-1.pdf ↩
  4. 環境省 放射線による健康影響に関するポータルサイト: https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30h03v02.html ↩
  5. 日本整形外科学会 スポーツ損傷・障害: https://www.jaoa.jp/glossary/スポーツ損傷・障害/ ↩
  6. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 急性中毒: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo38_1.html ↩
  7. 国立環境研究所 環境展望台: https://tenbou.nies.go.jp/environmental_term/view.php?kanji_code=048&english_name=acute%20toxicity ↩