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HEALTH WORDS / 用語解説

新規抗菌薬

New Antimicrobial Agents

新規抗菌薬とは、既存の抗菌薬に対して耐性を獲得した薬剤耐性菌に対抗するため、あるいは従来の薬剤よりも優れた薬物動態や安全性を示すために開発・承認された新しい抗菌薬の総称である。1

近年の医療現場においては、カルバペネムなどの主要な抗菌薬に対しても耐性を示す多剤耐性菌の出現が世界的規模での公衆衛生上の重大な脅威となっている。2

このような背景のもと、感染症治療の選択肢を維持・拡大するため、従来とは異なる作用機序を持つものや、耐性化の仕組みを回避するように分子構造が改良された新薬の研究開発が国際的に推進されている。3

新規抗菌薬の開発においては、既存の耐性機序であるβラクタマーゼなどの酵素による分解を受けにくい化学構造の導入や、新たな標的分子への結合を目的とした修飾が行われることが多い。4

また、これまでにない新しい生合成経路や細胞壁合成の異なるステップを阻害することで、既存薬との間に交差耐性を示さないよう工夫された化合物も含まれる。5

臨床試験を経て薬事承認される新規抗菌薬は、適応菌種や感染症の部位、患者の腎機能や肝機能に応じた適切な投与設計が求められる。6

適正使用を推進するためには、薬剤感受性試験を実施して原因菌を特定し、不必要な広範囲抗菌薬の使用を控える抗菌薬適正使用支援(AST)の取り組みが不可欠である。7

さらに、新規抗菌薬の過剰使用や不適切な使用は新たな薬剤耐性菌の出現を早めるリスクがあるため、その有効性を将来にわたって保持するための厳格なサーベイランスと使用量のモニタリングが実施されている。8

参考文献・出典

  1. AMR臨床リファレンスセンター: https://amr.ncgm.go.jp/surveillance/pdf/2023-AMR-trend.pdf ↩
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138902.html ↩
  3. AMR臨床リファレンスセンター: https://amr.ncgm.go.jp/index.html ↩
  4. 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/dig/siken/chosa_kikaku/2020-03.pdf ↩
  5. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/lab-manual/854-amr-manual.html ↩
  6. PMDA 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ ↩
  7. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/content/000672087.pdf ↩
  8. 国立国際医療研究センター: https://amr.ncgm.go.jp/pdf/202206-AMR-manual.pdf ↩