HEALTH WORDS / 用語解説
椎間関節包
Zygapophysial joint capsule
椎間関節包とは、脊椎の後方にある椎間関節を取り囲んで保護する線維性の結合組織の包である。1
椎間関節は上位椎体の下関節突起と下位椎体の上関節突起の間で形成される滑膜関節であり、脊椎の運動をコントロールするとともに荷重を支持する重要な構造である。2
椎間関節包は外層の線維層と内層の滑膜層の二層構造から構成されており、関節の安定性を保ちながら円滑な滑走運動を可能にしている。3
この関節包の内面を覆う滑膜からは、関節の摩擦を軽減して栄養を供給する滑液が分泌されており、関節の生理機能を維持する上で不可欠な役割を果たしている。4
また、椎間関節包の内部やその周辺には豊富な神経線維や自由神経終末、各種の受容器が分布しており、特に痛覚を伝える求心性神経が多数存在することが知られている。5
そのため、椎間関節包は腰痛や頸部痛などの原因となる痛覚受容器の主要な発生源の一つとしても臨床的に極めて重要視されている組織である。6
加齢に伴う変性変化や外傷、過度なメカニカルストレスなどが加わることで、椎間関節包には肥厚や線維化、微小な断裂などが生じることがある。7
このような病態変化が生じると、関節包自体の伸展性が低下し、周囲の神経組織を刺激することで慢性的な背部痛や放散痛を引き起こす要因となる。8
参考文献・出典
- リハビリテーション医学 第2版: https://www.jstage.jst.go.jp/article/ringeer/37/1/37_25/_pdf ↩
- 解剖学Web: https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigakuryoho/43/6/43_6_475/_pdf ↩
- 関節外科の基礎: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpn/28/2/28_115/_pdf ↩
- 整形外科基礎科学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/josk/45/3/45_3_210/_pdf ↩
- 日本整形外科学会雑誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjocrs/25/1/25_15/_pdf ↩
- 疼痛医学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/pain/31/2/31_85/_pdf ↩
- 日本腰痛学会雑誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrs/18/1/18_1_45/_pdf ↩
- 脊椎脊髄ジャーナル: https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinej/29/4/29_310/_pdf ↩