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HEALTH WORDS / 用語解説

淡水巻貝

Freshwater snails

淡水巻貝とは、河川、湖沼、池、水田などの淡水域に生息する軟体動物門腹足綱(巻貝類)に属する動物の総称である。1 2

淡水巻貝は底生動物(ベントス)の重要な一員であり、世界中の多様な内水面生態系に広く分布している。3多くの種は硬い石灰質の貝殻をもち、頭部には触角や眼を備え、腹足と呼ばれる筋肉質の足を使って基質表面を移動する。食性は種によって多様であるが、多くは藻類、デトリタス、水草などを歯舌を用いて摂食する植食性あるいは雑食性を示し、水域における有機物の分解や物質循環において重要な生態系機能を担っている。1 4

分類学的には、基眼目や盤足目などに属する多様な分類群が含まれており、モノアラガイ科、サカマキガイ科、カワザンショウガイ科、タニシ科などが代表的な科として挙げられる。呼吸の形態も多様であり、鰓(えら)によって水中呼吸を行う前鰓類のグループと、外套腔の内壁が肺のように機能して空気呼吸を行う有肺類のグループに大別される。特に有肺類の仲間は、水面に浮上して空気を取り込むか、溶存酸素の少ない環境や一時的水域でも生存できる適応を示している。

また、淡水巻貝は多くの寄生虫、特に吸虫類(住血吸虫や肝吸虫など)の中間宿主として生態学的および医学・獣医学的に極めて重要な役割を果たしている。ヒトや家畜に感染症をもたらす病原体の生活環において、特定の淡水巻貝の体内で幼生が発育・増殖するため、公衆衛生の分野では重要な防除対象となることがある。5 6

さらに、一部の淡水巻貝は観賞魚の水槽内における藻類除去目的などでアクアリウムに導入されたり、地域によっては食用として利用されたりする一方で、外来種として移入された場合に固有の水生生物や生態系に深刻な影響を与えることが知られている。繁殖力が非常に高い種では、大量発生によって水質悪化や農業用水の目詰まりなどの環境問題を引き起こす事例もあり、生物多様性保全の観点から継続的なモニタリングや駆除対策が行われている。1 2

参考文献・出典

  1. 国立環境研究所 侵入生物DB: https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60090.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 国立環境研究所 侵入生物DB: https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60030.html ↩1 ↩2
  3. J-GLOBAL: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201002264560127202 ↩
  4. J-GLOBAL: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201102283995646199 ↩
  5. 国立健康危機管理研究機構: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/397-schistosomiasis-intro.html ↩
  6. 農研機構: https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/laboratory/naro/chiku/index.html ↩