HEALTH WORDS / 用語解説
突起
projection / process
突起とは、生物学や医学において、細胞や組織、器官などの表面から外部へ向かって突き出た構造全般を指す一般的な形態学的用語である。1
生物体の様々な階層において観察され、微細な細胞レベルの構造から肉眼的な骨の形態まで幅広く用いられる。2
神経細胞(ニューロン)における突起は、神経系の情報処理と伝達において極めて重要な役割を担っている。3
神経細胞から伸びる突起には、主に情報を他の細胞から受け取る樹状突起と、情報を他の細胞へ送り出す軸索が含まれる。4
樹状突起は枝分かれした複雑な形態をとり、多数のシナプスを形成して神経回路のネットワークを構築する基盤となる。5
一方、軸索は比較的細長く伸びる突起であり、活動電位という電気的信号を遠方まで伝導する機能を持つ。6
上皮細胞などの表面には、物質の吸収効率を高めたり細胞の移動に関与したりするための微細な突起構造が存在する。7
例えば、小腸の上皮細胞の頂端部には微絨毛と呼ばれる微小な突起が密生しており、栄養素の吸収面積を劇的に拡大させている。8
また、気管や卵管などの上皮には線毛と呼ばれる運動性の突起があり、粘液や細胞を一定方向に移動させる役割を果たしている。9
免疫系に関わる細胞でも突起は重要な意味を持ち、例えば樹状細胞は抗原提示を行うために特徴的な偽御状の突起を活発に伸ばしたり縮めたりしている。10
骨格系における突起は、骨の表面に見られる隆起や出っ張りのことであり、解剖学的な位置の特定や筋肉・靭帯の付着部として機能する。11
骨の突起には結節、粗面、棘、突起(process)などの細分類があり、それぞれの力学的負荷や筋肉の収縮方向に対応した形態を示している。12
このように、突起という語は形態的な特徴を記述するための総称であり、その構造や機能は対象とする組織や器官によって多岐にわたる生物学的概念である。13
参考文献・出典
- 解剖学用語委員会: https://www.anat-assoc.jp/ ↩
- 日本組織細胞学会: https://www.jsh-cell.jp/ ↩
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B4%B0%E8%83%9E ↩
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/brain/ye-049.html ↩
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E6%A8%B9%E7%8A%B6%獏起 ↩
- 生理学テキスト: https://www.nips.ac.jp/ ↩
- 日本細胞生物学会: https://www.jscb.or.jp/ ↩
- 解剖学用語: https://www.janatomy.jp/ ↩
- 日本呼吸器学会: https://www.jrs.or.jp/ ↩
- 日本免疫学会: https://www.jsi-immunology.org/ ↩
- 日本人体解剖学: https://www.kanehara-shuppan.co.jp/ ↩
- 日本整形外科学会: https://www.joa.or.jp/ ↩
- 生物学辞典: https://www.iwanami.co.jp/ ↩