HEALTH WORDS / 用語解説
細胞抽出液
Cell extract
細胞抽出液とは、細胞を物理的あるいは化学的に破壊した後、遠心分離などによって得られる上清であり、細胞質基質や細胞内の各種成分を含む水溶液である。1
細胞抽出液は、生化学や分子生物学の分野において、細胞全体を組織としてではなく分子レベルの反応系として体外(イン・ビトロ)で再現・解析するために広く利用されている。1
細胞の破壊方法には、超音波破砕、ホモジナイザーを用いた機械的せん断、フレンチプレスによる高圧処理、あるいは界面活性剤や溶媒を用いた化学的な溶解などがあり、目的とするタンパク質や核酸などの生体分子が失活しないよう、低温条件下で緩衝液を用いて調製されることが多い。2
こうして得られた抽出液には、酵素や代謝物質、リボソームなどの細胞内小器官の構成成分が含まれており、無細胞タンパク質合成系や酵素反応の解析、さらにはシグナル伝達経路の再構成実験などにおいて重要な実験材料として用いられる。1
また、プロテオミクス解析の前段階としても細胞抽出液の作製は不可欠であり、複雑な生体内環境から特定の分子を分離・精製するための出発点となる。2
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906051515594411 ↩1 ↩2 ↩3
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201007036665790437 ↩1 ↩2