HEALTH WORDS / 用語解説
経口避妊薬
Oral Contraceptive Pills
経口避妊薬とは、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)の2種類のホルモンを配合した錠剤であり、主として避妊を目的として経口投与される医薬品である。1
低用量ピルとも呼ばれる現代の経口避妊薬は、ホルモンの含有量が少なく調整されており、正しく服用することで極めて高い避妊効果が得られる。1
経口避妊薬の主要な薬理作用機序は、視床下部および下垂体からの性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモン)の分泌を抑制することにある。2
これにより卵巣からの排卵が抑制され、受精の機会が断たれる。2
さらに、子宮内膜の増殖を抑制して受精卵の着床を妨げるとともに、子宮頸管粘液の性状を変化させて精子の子宮内への侵入を困難にする作用も併せ持つ。2
避妊目的以外にも、月経困難症の諸症状の緩和、月経前緊張症の改善、月経周期の調節、子宮内膜症の治療など、婦人科領域における様々な疾患の治療やQOLの向上を目的として広く臨床応用されている。3
副作用としては、服用初期に生じやすい悪心、頭痛、乳房張る感、不正性器出血などの軽度な症状から、重篤なものとして静脈血栓塞栓症(VTE)がある。4
静脈血栓塞栓症の発症リスクは、喫煙者や高齢者(特に35歳以上)、あるいは肥満などの危険因子を持つ患者において高まることが知られており、禁忌事項や使用上の注意を十分に確認した上で処方される必要がある。4
また、乳がんなどのホルモン依存性腫瘍に対する影響や、血栓症の既往歴がある患者への投与制限など、詳細な問診と医学的検査を行った上で慎重に投与法が決定される。5
参考文献・出典
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/1103/h0331-3_6.html ↩1 ↩2
- 日本産科婦人科学会: https://www.jsog.or.jp/modules/women/index.php?content_id=5 ↩1 ↩2 ↩3
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iyaku/kouritsu/dl/h24_kouritsu_dai2_04.pdf ↩
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ ↩1 ↩2
- 日本産科婦人科学会: https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/shishin_H27_04_02.pdf ↩