HEALTH WORDS / 用語解説
習慣性流産
habitual abortion
習慣性流産とは、流産を3回以上妊娠の初期に繰り返す状態のことである。1 なお、近年では不育症という用語が用いられることも多く、これは生殖年齢の男女において妊娠は成立するものの流産や死産を繰り返して生児を得られない状態を指す。2
習慣性流産の原因としては染色体異常、子宮形態異常、抗リン脂質抗体症候群などの免疫学的要因、内分泌異常など多岐にわたる。1 特に夫婦間のいずれかに染色体構造異常が存在する場合、胚の染色体不均衡が生じやすくなり、流産を繰り返す原因となる。3
また、内分泌異常としては糖尿病や甲状腺機能障害などが挙げられ、これらが適切にコントロールされていない場合も流産のリスクを高める。2 子宮形態異常には双角子宮や中隔子宮などがあり、受精卵が着床する子宮腔の環境に影響を与えることで妊娠継続を困難にする場合がある。1
さらに、抗リン脂質抗体症候群は血栓症を引き起こしやすいだけでなく、胎盤の血流障害を惹起することで流産や胎児発育不全の原因となるため、抗血小板療法や抗凝固療法などの治療が行われることがある。3 このような背景から、習慣性流産の診断にあたっては血液検査や超音波検査、子宮鏡検査などを用いて多角的な検査を実施することが重要である。1
原因が特定された場合には、それぞれの病態に応じた適切な医療介入が行われるが、詳細な検査を行っても明確な異常が見つからない原因不明のケースも少なくない。2 しかし、原因が特定されない場合であっても、精神的サポートを受けながら妊娠管理を行うことで、次回の妊娠において生児を得られる確率を高めることが可能であるとされている。3