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HEALTH WORDS / 用語解説

死産

死産とは、妊娠第22週以降における胎児の死亡を伴う出産のことをいう。1 我が国の母体保護法および戸籍法、統計法に基づいて定義・集計されている周産期の重要な健康指標の一つである。2

死産は、その原因や発生した時期により自然死産と人工死産に大別される。3 自然死産は、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、臍帯異常、胎児染色体異常などの疾患や異常によって、意図せず胎児が子宮内で死亡した場合や流産ののちに出産に至った場合が含まれる。4 これに対して人工死産とは、妊娠の継続が母体の健康を著しく害するおそれがある場合や、経済的理由など母体保護法で定められた要件を満たす場合に、医師の判断と同意のもとで人工妊娠中絶の手術を行うものである。5

医学的な分類においては、妊娠第22週未満の胎児の死亡を流産と呼ぶのに対し、第22週以降のものを死産と区別している。4 さらに死産は、出産時に生存していなかった早期死産・後期死産などの死胎と、出産後にごく短期間のみ生存したのちに死亡した早期新生児死亡とは異なる概念として扱われる。3 世界保健機関(WHO)の基準や日本の人口動態統計においても、国際的な比較を行う上で妊娠第22週以降の死産数が重要な指標とされている。2

死産の発生には、妊婦の年齢や喫煙、基礎疾患としての高血圧や糖尿病などのリスク因子が関与することが知られている。1 また、周産期医療の進歩により胎児心拍数モニタリングや超音波検査などの検査技術が向上したことで、胎児の異常の早期発見や適切な周産期管理が行われるようになったが、依然として原因不明の死産も存在する。4

死産を経験した両親や家族は、深い悲しみや心理的苦痛、喪失感を抱えることが多いため、医学的な身体的ケアだけでなく、グリーフケアと呼ばれる精神的サポートやカウンセリングが極めて重要視されている。6 医療機関や自治体の保健師、助産師らが連携し、遺族に対する心理支援やグリーフケアの体制整備が進められている。6

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 統計情報: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei19/dl/kaisetsu.pdf ↩1 ↩2
  2. e-Stat 政府統計の総合窓口: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000031811801 ↩1 ↩2
  3. 厚生労働省 人口動態統計: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/sankou/dl/h28-02.pdf ↩1 ↩2
  4. 国立成育医療研究センター: https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/prenatal.html ↩1 ↩2 ↩3
  5. 厚生労働省 母体保護法関係: https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/boshihoken/dl/h04.pdf ↩
  6. 厚生労働省 母子保健課: https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000676449.pdf ↩1 ↩2