HEALTH WORDS / 用語解説
胚細胞性腫瘍
Germ cell tumor
胚細胞性腫瘍とは、生殖細胞(精子や卵子の元となる細胞)から発生する腫瘍の総称である。1
胎児発生の過程において、将来精巣や卵巣となる性腺へと移動する原始生殖細胞が、何らかの原因で迷入・遺残し、腫瘍化するものと考えられている。2
発生部位としては、男性の精巣や女性の卵巣といった性腺内が最も多いが、性腺外と呼ばれる縦隔、後腹膜、仙尾部、脳(松果体や下垂体領域など)の正中線付近にも発生することが特徴である。1
組織学的分類としては、大きくセミノーマ(精巣腫瘍の場合)あるいはディスゲルミノーマ(卵巣腫瘍の場合)と呼ばれる野性型に近い組織型と、それ以外の非セミノーマ性胚細胞性腫瘍(胎児性癌、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌、未分化胚細胞腫など)に分けられる。2
さらに、成熟型あるいは未熟型の奇形腫もこの腫瘍に含まれる。1
小児から若年層、成人にかけて幅広い年齢層に発症し、年齢や発生部位、組織型によって臨床像や治療戦略が異なる。2
診断においては、AFP(アルファフェトプロテイン)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、LDH(乳酸脱水素酵素)といった腫瘍マーカーの血中濃度測定が極めて重要であり、病勢の把握や治療効果の判定、再発の早期発見に利用される。1
治療の基本は、外科的切除による腫瘍の摘出に加え、シスプラチンなどのプラチナ製剤を主体とした多剤併用化学療法(抗111がん剤治療)が非常に高い感受性を示すため、進行がんであっても治癒が期待できる腫瘍の一つである。2
参考文献・出典
- 国立がん研究センター 希少がんセンター: https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/germ_cell_tumor/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/cancer/germ_cell_tumor/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4