HEALTH WORDS / 用語解説
再発
Recurrence
再発とは、治療によって一度は消失したあるいは寛解した症状や疾病が、再び現れることをいう。1
医学および臨床の分野において再発は、がんなどの悪性腫瘍や感染症、精神疾患など多様な疾患の経過を評価する上で極めて重要な指標の一つとして位置づけられている。2
がん治療における再発は、手術や放射線療法、化学療法などの初回治療によって、目に見える腫瘍が完全に消失したあるいは検出できなくなった後、時間の経過とともに体内に残存していた微小ながん細胞が再び増殖し、病巣を形成する現象を指す。2
再発が生じる場所にはいくつかのパターンが存在し、もとの腫瘍が発生した部位と同じ場所に再び現れる「局所再発」や、元の部位の周辺組織に現れる「領域再発」、さらに血液やリンパ液の流れなどを介して肝臓や肺、脳、骨などの遠隔臓器に新たな病巣を作る「遠隔転移(遠隔再発)」に分類されることが多い。3
これに対して、初回に治療したがんとは全く異なる原因や機序によって、別の場所に新たに悪性腫瘍が発生する現象は「多発」あるいは「重複がん」と呼ばれ、再発とは明確に区別されて診断および治療方針の検討が行われる。3
感染症の領域における再発は、一度は治癒したように見えた感染症の原因となる細菌やウイルスなどの病原体が、体内から完全に排除されておらず潜伏していた状態から再び活性化し、臨床的な症状を再燃させる現象を指す場合がある。4
また、精神医学や心身医学の分野においても、うつ病や統合失調症などの精神疾患において、症状が寛解した良好な状態が続いた後、何らかのストレスや環境要因、生物学的要因を背景として再び同様の精神症状が現れることを再発と称する。5
疾患の種類を問わず、再発を防ぐためには、初回治療後における定期的な経過観察やフォローアップ検査、維持療法などの適切な医療介入が極めて重要であり、患者のQOL(生活の質)の維持や生存率の向上のために多角的なアプローチが続けられている。6
参考文献・出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-079.html ↩
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01.html ↩1 ↩2
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic03.html ↩1 ↩2
- 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr.html ↩
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/mental/ym-074.html ↩
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/cancer/treatment/ ↩