ホーム自発呼吸

HEALTH WORDS / 用語解説

自発呼吸

Spontaneous breathing

自発呼吸とは、生体が呼吸中枢からの神経指令に基づき、自身の呼吸筋を収縮させて行う呼吸運動のことである。1 人工的な呼吸器による強制的な送気とは異なり、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が活動して胸腔内圧を陰圧に保つことで、自然に空気が肺内へ流入する生理的な機序を指す。2

ヒトをはじめとする哺乳類などの生物において、自発呼吸は延髄および橋に存在する呼吸中枢によって不随意にコントロールされている。1 血液中の二酸化炭素分圧の上昇やpHの低下、あるいは酸素分圧の低下といった体液の化学的変化は、中枢化学受容体や末梢化学受容体によって感知される。2 これらの受容体からの情報が呼吸中枢に伝えられることで、換気量や呼吸数が精密に調節され、生体内のガス交換と酸塩基平衡が恒常的に維持されている。2

臨床医学の領域においては、集中治療室などで人工呼吸器管理を受けている患者の状態を評価する上で、自発呼吸の有無やその呼吸仕事量は極めて重要な指標となる。1 患者自身の呼吸ドライブが回復し、安定した自発呼吸が維持できるようになった段階で、人工呼吸器から離脱するためのプロトコルが検討される。3

参考文献・出典

  1. 南山堂 医学大辞典 第20版 ↩1 ↩2 ↩3
  2. 標準生理学 第9版: https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034177579 ↩1 ↩2 ↩3
  3. 日本呼吸治療学会誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrcm/6/1/6_37/_article/-char/ja/ ↩