HEALTH WORDS / 用語解説
足底筋
足底筋(そくていきん)とは、下腿の後面に位置する非常に細く小さな筋肉であり、腓腹筋とヒラメ筋の間を下方に向かって走行し、最終的にアキレス腱の内側縁に沿って踵骨(かかとの骨)のアキレス腱停止部付近へ付着する下腿三頭筋の補助筋である。1
解剖学的な特徴として、足底筋はヒトの進化の過程において退化しつつある器官の一つとして知られており、その形態や存在には大きな個人差が存在する。筋腹自体は非常に小さく、そこから続く腱が非常に長いという形態上の特徴から、臨床医学や解剖学の分野では「植物腱」とも称されることがある。足関節の底屈および膝関節の屈曲に対してわずかながら作用するものの、その筋力は極めて微小であり、単独での運動に対する寄与度はほとんど無視できる程度であると考えられている。1
一方で、足底筋はスポーツ医学や整形外科の領域において臨床的な意義を持つことがある。特に激しいスポーツ活動やダッシュ、ジャンプ動作などを伴う運動時において、足底筋の損傷や断裂が発生することがあり、これは一般に「テニスレッグ」と呼ばれる病態を引き起こす原因の一つとして挙げられる。腓腹筋内側頭の損傷と合併して発生することが多く、受傷時にはふくらはぎの急激な痛みや圧痛、皮下出血などを認めることがある。また、その長い腱の存在ゆえに、足関節周辺の手術や形成外科的手術において、自家組織の移植片として利用される歴史的背景や臨床的応用も存在する。2
参考文献・出典
- 日本人における足底筋の形態学的研究: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansai/2015/0/2015_45/_pdf/-char/ja ↩1 ↩2
- 下腿三頭筋損傷(テニスレッグ)の病態と治療: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjoc/29/2/29_115/_pdf/-char/ja ↩